木部の塗装(木目を出さない場合)
最近の住宅では木部を外部に使用することは少なくなりました。以前は当たり前に破風板や窓枠、雨戸などに加工のしやすさなどから外部にも塗装箇所は多くありました。アルミサッシなどの普及により窓枠、雨戸などはなくなりましたが、20年ほど前までは新築住宅の破風板には多く使用されていました、主に杉や松などの木材を塗装しましたが日当たりの強い、西面などで塗膜の剥離、ひび割れなどが発生して新築引き渡し後2年から3年くらいで補修塗装によく行きました、原因は木部の透湿性によるものだと思います、また松などの木材は日当たりにより内部から松やにが発生して相性により塗装の剥離が生じます、素材の吸い込みを止めるために、光沢を出すために塗膜は厚くなりますが、厚く塗装するほど木の特性を妨げ結果として塗装の不具合が生じます。湿気の吸放出を繰り返し呼吸しています。木は呼吸する自然素材です、木の呼吸を妨げない塗料で塗装をお勧めいたします、木部用塗料を使用してからすでに30年くらいなりますが、新築工事における不具合はなくなりました、塗り替えでも使用していますが、厚く塗られた剥離している旧塗膜でも下地処理をしっかりと施工することにより10年以上の塗装の目的である保護と美装の役目を果たします。
IPグロス 破風羽目板用
IPグロス 破風羽目板用
あく洗い
白木も年数が経過するごとに深みも増しますが、紫外線による日焼け劣化、雨染み、汚れなど本来の風合いは損なわれます、白木の復元工法にはあく洗いの作業が必要となります、ミヤキの製品をよく使用します。風雨による汚れがひどい場合はアクロンABを最初に塗布してから順番にしみ抜きをレブライト、そしてノーベルABにて日焼け戻し漂白、カビ取り乾燥後塗り重ねます。各工程ごと薬品が未乾燥のまま塗り重ねると有毒ガスが発生して目やのどの粘膜を痛めます、主に雨降りにやることも多く乾燥に時間がかかりの一日完工の仕事のため、この作業で幾度となく失敗しております、保護メガネ、手袋は当たり前ですが最近は工業用の扇風機、有機溶剤マスクも併用して安全衛生にも配慮しております。最近はあまり見かけなくなりましたが、以前は新築の軒裏や垂木、けらばなどをウレタンワニスで仕上げする方法もありました、山門(和式門、数寄屋門など)にも施工をしてあるのを見たことがあります。塗装した直後は濡れ色とクリアー感はきれいですが1~2年持たずに黒カビやクリアー面の白化などの発生がありました、やがて経年劣化しての塗膜は塗りつぶすのが一番簡単ですが場所により塗りつぶしが不可能なものもあります。一般的にはこの厚い塗膜をはがすには剥離剤(スケルトン)を使用します、とても骨が折れますが 幾度か塗りながら薬品により柔化した塗膜をスクレーパーなどでしごき取る作業を繰り返します。あく洗いや剥離作業は普段している塗りつぶす方法から正反対の考え方になり、経年劣化した木を白木に復元する作業なのでとても根気のいる仕事になります。
アクロンAB
レブライト
ノーベルAB
スケルトン
アクロンAB
レブライト
ノーベルAB
スケルトン